Mr.Childrenのほぼ全ての曲を作詞作曲してきた桜井和寿さん。
多くのファンがいる桜井和寿さんの書く世界。
桜井和寿さんはどんな風に数々の名曲を生み出してきたのでしょうか。
もくじ
桜井和寿の曲作り
先に生まれるのは曲
よくシンガーシングライターが聞かれる質問に「曲が先か詩が先か?」というものがあります。
桜井和寿さんの曲作りでは、「曲が先」だそうです!
曲が生まれてくるときについて、こんな風に話していました。
「曲が訴えたいこと、歌いこと、叫びたいことの、何かイメージを持って生まれてくるんだと思うんです。
そのメロディが頭の中でできて、自分の口でそのメロディをらららでも適当な英語でも口ずさんでいるうちに、その時の口の開き方だったり、かすれ方だったりで、怒りなのか優しさなのか、その音からもらうんです。」
曲を書くのは早い
「曲を書くのは早い方ですか?」この質問もよく聞かれます。
桜井和寿さんの答えは、「曲を書くのは早い方です」
「ただし、できないときは半年くらいできない。
1曲できるとそれからバーと10曲くらいできたりします。」
とのこと。
曲ができないときは考えない
曲が出てこないときや、詞の言葉が出てこないときはどうするの?という問いに、
桜井和寿さんは「そういう時は考えない」と答えています。
「自分の無意識が作りだすのを大事にしたい。」
「書かなきゃいけないから書いた曲が出来てしまうのが嫌だから」だそうです。
名もなき唄が生まれたとき「嬉しかったです」
「愛はきっと与えるでも奪うでもなく気がつけばそこにあるもの」
この詩が出来たとき、どんな気分でした?と聞かれた桜井和寿さん。
「嬉しかったです」と。
「これも、とにかくメロディができたんですけど、これ詞を書くのに苦労しそうだなと。考えて考えても浮かばなくて。」
「もう今日はやめて走りに行こう!と思って走りに行って疲れてもう何も考えられなくなったときに、最初の一行が出てきて、そこからもうバァっとできてきた。」
「とは言え、意識の扉を開いてあげて無意識をバァと出した後にソングライターである自分が整理したりするんですね。」
「2番のサビって自分の中でとても大事にしているんですが、この歌の中で一番言いたいことが出てきてほしいって考えて詩は書いているんです。」
桜井和寿 作詞でいつも心がけていること
桜井和寿さんが、作詞をするときに心がけていることは、
「いつも心がけているのは、世の中にあふれている常套句やテーゼとか既成概念の裏にある、それもまた真実だって言うことを自分が言葉で発見できた時、すごい嬉しい時で、その瞬間をいつも待っている。」
なんだそうです。
桜井和寿 曲作りのアイデアネタ帳
メモが歌詞に変わるまで。
桜井和寿さんは、曲作りのためのアイデアをノートにメモしているそうです。
そのメモにもいくつか目的があって、
- メロディがなくアイデアを書いておくためのネタとしてのメモ
- コンピュータに打つ前はこうやって手で字を書いておきたい
- 残しておくことで、後々役立つから
- 感情のモヤモヤを文字ごと気分ごとメモしておける(感情によって大きな文字になったり小さくなたり)
文字で書いて残しておくことで意味が出てくるそうです。
確かに「このとき、こんなことを思ったんだ」、「感じたんだ」と言うことは、なかなか時間が経つと思い出せなかったりしますもんね。
桜井和寿 手応えを感じた1曲「しるし」
「別れの歌なのか、恋愛がうまくいっているのか、どちらにも取れるような歌を作りたかった。」「そしてそれが上手くいったと思っている曲」として桜井和寿さんがあげたのが「しるし」でした。
共に生きれない日が来たって どうせ愛してしまうと思うんだ
ここで、「どうせ」と言う言葉を使えたことを「うまく使えたなと。」と手応えを感じているそうです。
確かに!
「どうせ」というのは、一般的にはネガティブなイメージを想起させると思うので、ここに持ってくるのはちょっと意外な感じがしていたんですよね。
でも、これって、さっき桜井和寿さんが言っていた、
「世の中にあふれている常套句やテーゼとか既成概念の裏にある、それもまた真実だって言うことを自分が言葉で発見できた時、すごい嬉しい時で、その瞬間をいつも待っている。」
にぴったり当てはまっていると思うんです。
どんなに抗ってみても、君を愛する気持ちは変えられない。
いつか一緒にいられなくなってもきっと君を愛してしまうんだろう。
それは、「どうせ」と言っても決してネガティブではない、それもまた真実だということを桜井和寿さんが発見した瞬間なんじゃないかと思うのです。
桜井和寿さんの作詞作曲する曲がどうやって生まれてくるのか、少しわかった気がします。
個人的には、世の中の常套句やテーゼや既成概念の裏にある、それもまた真実っていうことを自分が言葉で発見できた時、その瞬間が嬉しいという言葉が印象的でした!