2020年7月2日の深夜、大きな爆発音のようなものが東京都内で聞こえました。
音を聞いた人たちは「爆発?」「地震?」と思ったようですが、実は「火球」であることがわかりました。
ところで「火球」とは、あまり聞かない言葉ですが何なのでしょう?
本日は、火球について見ていきます。
もくじ
2020年7月2日深夜 東京で火球が観測される
火球とは何?
火球とは流星の一種である。
まず、火球は、夜空を流れる流れ星「流星」の一つです。
火球(かきゅう、bolide)とは、一般に-3等級ないしは-4等級よりも明るい流星の事である。火玉(ひだま)とも言われる。大気中で蒸発したものも、隕石となって地表に落下したものも、一定以上の明るさで光れば、どちらも火球と呼ばれる。
引用:ウィキペディア(Wikipedia)
国際天文学連合(IAU)は
火球とは「どの惑星よりも明るい流星」(”a meteor brighter than any of the planets”、-4等級より明るい)
と定義しています。
まず、「流星」であること、そして「とても明るい」ことが特徴です。
そして、その明るい火球の中でさらに明るいものを「大火球」と呼ぶようです。
以前、静岡県で「大火球」が目撃されています。
これは神奈川県の平塚市博物館でプラネタリウムの解説もしている学芸員・藤井大地さん(@dfuji1)が静岡県富士市で撮影したもの。
引用:https://www.fnn.jp/articles/-/18771
とFNNのプライムオンライン上で紹介されていました。
火球はどのくらいの頻度で現れる?
数年に一度見ることのできる皆既日食や、年に1度程度見られる流星群。
天体ショーは色々ありますが、火球はどのくらいの頻度で見ることができるのでしょうか?
国立天文台によると、
日本全国でいえば、平均すると1ヶ月に数個程度の頻度で目撃されています。
引用:https://www.nao.ac.jp/faq/a0501.html
とのことです。
火球の色はどうやって決まるの?
星の色の違いは星の表面温度の違いによって決まる
2020年7月2日に東京で見られた火球は白っぽい色をしていましたが、2019年11月に静岡で見られた大火球は、綺麗な緑色をしていました。
火球の色はどうやって決まるのでしょうか?
赤い星や白い星というように星の色が違うのは、星の表面温度の違いによるものだというのはよく知られています。
温度が低いと赤く、温度が高くなるにつれて、オレンジ、黄、白、青白へと変化する。それは、星の光に含まれる色々な波長の光が、温度によってその強度比を変えるためであり、人間の眼には、これら様々な波長の光が混ざって見えている。
引用:半田孝, 「緑色の星」, 日本天文学会月報第79巻10号
http://www.asj.or.jp/geppou/archive_open/1986/pdf/19861004.pdf
火球の色はどうやって決まるか?
火球はプラズマの光
流れ星は秒速11km~72kmという速度で降ってくるので、地球の大気を一瞬で押し縮めます。すると空気が数千℃という高温になり、赤外線などの光が出ます。
その光で流れ星が“あぶられる”ことで数千℃になり、砕け散ってプラズマという状態になります。そのプラズマの光が私たちの目に届くのです。
引用:https://www.fnn.jp/articles/-/18771
火球の光は、「プラズマの光」なんですね。
火球はプラズマの光|色は決まっている?
火球がプラズマの光だということがわかりましたが、、プラズマの光というのは色が決まっているのでしょうか?
プラズマの光は、太陽光とは違って、ある色の波長しか持っていないそうです。
流れ星の光はプラズマの光だと申し上げましたが、これは太陽の光とは違います。太陽の光は、雨が降った後にできる虹のように、全部の色が含まれていますが、流星の光はある色の波長だけなんです。
それがどの波長になるかは、大気中の組成と流れ星の粒に含まれる組成で決まり、それによって緑・黄・白・赤などいろいろな色に光ります。
引用:https://www.fnn.jp/articles/-/18771
こんな風に色も様々な火球ですが、爆発音が聞こえる事は珍しいと言います。
数分後には爆発音も聞こえたといい、火球が破裂した際の音が地上まで届いた可能性がある。火球の音が聞こえた例は極めて珍しい。
引用:https://www.asahi.com/articles/ASN721FGWN71ULBJ01M.html
深夜の爆発音に驚いた人も多いと思いますが、珍しい天体事例だとしたら、これも一期一会な感慨深さがあったかもしれませんね。