中島みゆきさんと言えば、ドラマ「家なき子」で有名になった『空と君のあいだに』や「マッサン」の『麦の唄』やプロジェクトXの『地上の星』など名曲がたくさんありますね。
コンスタントにヒット曲を生み出しドラマ主題歌のオファーが途切れないその理由はどこにあるのでしょう?
もくじ
「北の国から」の天才脚本家・倉本聰に愛される歌姫
2019年4月スタートの倉本聰さん脚本の春ドラマ「やすらぎの刻〜道」(テレビ朝日系)の主題歌に、2本書き下ろしています。
倉本聰氏は中島みゆきさんを「天才!」と称賛、前作の「やすらぎの郷」の時にも中島みゆきさんは主題歌『慕情』を提供していますので、今回は再びのタッグです。
「愛より急ぐものが どこにあったのだろう
もいちどはじめから もしあなたと歩き出せるなら
もいちどはじめから ただあなたに尽くしたい」
中島みゆきさんは自身が手がける舞台「夜会」の脚本を書かれているのですが、
ある時、「自分で書いておきながら演じる時に大変になるんですよ!」と倉本聰さんにお話されたことがあります。
すると倉本さんは脚本をみて、これは「演じにくいですね」と一言。
その時中島さんは「演じやすく脚本をかけるのか!」と目から鱗だったそうです。そういう同じ物語の書き手としての感覚での共感などもあるんでしょうね。
紅白歌合戦初出場はプロジェクトXの『地上の星』
2000年にリリースされた中島みゆきさん通算37枚目のシングル「地上の星」誕生はNHKのプロデューサー今井さんの熱烈な想いから。
「私自身が熱烈な中島みゆきさんファンなのです。10年以上仕事がうまくいかなくて、ビジネスホテルを転々としながら日本海の海沿いを一ヶ月ほど旅していたときに、有線放送から中島さんの歌が流れてきたりして、とても思い出深いです。それに彼女の歌は常に弱者からの視点で書かれていて優しさを持っていますよね。」
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その弱者からの視点の優しさが、普通の人を描いた「プロジェクトX」の番組にぴったりと感じた今井さんが、直接中島みゆきさんに手紙を書いたそうです。
所属事務所に中島さん宛の手紙と一緒に40本~50本くらいの番組の要旨も合わせて送られたそうです。
人の心に深く入り込む、そんな唄なんですね。
数々のアーティストに楽曲提供を続ける名プロデューサーの一面
最近では、ももいろクローバーZに「泣いてもいいんだよ」を提供していますね。ももクロはこの曲で初の1位を獲得しています。
「全然泣けなくて 苦しいのは誰ですか
全然今なら 泣いてもいいんだよ」
過去には
研ナオコの「あばよ」「かもめはかもめ」「LA-LA-LA」
柏原芳恵「春なのに」
加藤登紀子「この空を飛べたら」
工藤静香の「MUGO・ん…色っぽい」「FU-JI-TSU」「黄砂に吹かれて」「慟哭」「激情」
TOKIOの「宙船(そらふね)」
吉田拓郎「永遠の嘘をついてくれ」
甲斐よしひろ「ありか」
柴咲コウ「思い出だけではつらすぎる」
たくさんのアーティストがカバーする名曲『糸』
この方たちのカバーでこの曲を知った人も多いと思います。
BankBandです!
ミスチルの桜井和寿とプロデューサー小林武史が中心になって作ったバンドですね♪チャリティのap bankの可能性を広げるために作られました。
ap bankは、音楽プロデューサーの小林武史と、Mr.Childrenの櫻井和寿に、坂本龍一氏を加えた3名が拠出した資金をもとに、2003年に設立されました。
http://www.apbank.jp/about/
他にも、福山雅治、クリス・ハート、平原綾香、坂本冬美、岩崎宏美、新妻聖子、中孝介、JUJU、EXILE ATSUSHI、吉岡聖恵(いきものがかり)などなど多くのアーティストがカバーしています。
2018年2月には『糸』の曲が100万ダウンロードに達し、
発売からなんと26年を超えてミリオン認定されました。
「縦の糸はあなた 横の糸は私
織りなす布は いつか誰かの
傷をかばうかもしれない
縦の糸はあなた 横の糸は私
逢うべき糸に 出逢えることを
人は 仕合わせと呼びます」
カロリーメイトのCMが鮮烈だった「ファイト!」
2012年11月に満島ひかりさん出演
カロリーメイトのCMで使われた中島みゆきさんの「ファイト!」
満島ひかりさんの歌声がとても鮮烈でした。
ファイト!闘う君の唄を
闘わない奴等が笑うだろう
ファイト!冷たい水の中を
ふるえながらのぼってゆけ
70年代、80年代、90年代、2000年代の4時代でシングルチャートで1位を獲得
中島みゆきさんは1970年代から2000年という4つの時代で
シングルチャート1位を獲得した唯一の女性アーティストでもあります。
| 1970年代 わかれうた 1980年代 悪女 1990年代 空と君のあいだに 2000年代 地上の星 |
4つの時代で1位を取るというのは、時代が変わっても、その時代の人が求めるものを提供し続けてきたことの証でありますし、時代が変わっても変わらない普遍的な中島さんの曲・歌詞が人の心に響いたということでもあると思います。
時代を超えて届く人の心の普遍性
中島みゆきさんは歌詞がすごいと言われるアーティストでもありますが、ご自身でも言葉を大切にしていると語られています。
中島みゆきさんの父親は、産科の医師でした。医師らしいコメントですね。
人の心に届く強さと優しさを持った言葉たち。
先のNHKのプロデューサーが言われたように「弱者からの視点」を持つ優しさとそれを貫いている中島みゆきさんの強さが、時代を超えてもなお人の心に響き、ドラマやCMの主題歌やテーマソングにとオファーが途切れない理由なんではないかと思いました。


